導入事例

ミニアプリをご活用いただいている企業様・事業主様を紹介します。

株式会社ハイパーソフト様

美容営業事業部 副部長
マーケティンググループ統括責任者 木透 真悟 様

美容営業部 課長
マーケティンググループ マーケティングチーム責任者 兼 第2セールスチーム 大林 紅莉 様

美容サロン用のLINEミニアプリを共同開発。予想の3倍を超える導入成果を実現

2021年7月、当社は美容サロン向けPOSシステム『Salon de Net(サロン・ド・ネット)』開発・販売するハイパーソフト社と共同で、『Salon de Net』と連携したLINE連携予約・デジタル会員証のLINEミニアプリ『Salon de Net for LINE(サロン・ド・ネット フォーライン)』をリリースしました。

2022年6月現在、予想の3倍を超えるハイパーソフト社のクライアントサロン300店舗に導入していただいています。


ハイパーソフト社の事業概要について教えてください

当社は、美容サロン向けの顧客管理・売上管理・経営分析を行うPOSシステムをはじめ、スマートフォンやタブレット等マルチデバイス向け電子カルテアプリ、会計業務をセルフ化・オートメーション化したセルフレジなど、『POS』『アプリ』『ソリューション』の領域において、サロン経営・サロンワークをITで改革すべくサービスを提供しています。

特にここ数年でフリーランス美容師を中心としたシェアサロンや、カット・カラーに特化した専門店の台頭などサロン経営も多様化しており、サロンの経営スタイルに応じた顧客情報の管理と、その顧客情報を活用してお客様へ新たな価値提供を行う『CRM』サービスの必要性が増していると認識しています。

その中で、今回国内最王手のSNS『LINE』と連携したCRMサービス『Salon de Net for LINE』をネットスターズと共同開発しリリースしました。

なぜ、『LINEミニアプリ』を開発しようと考えましたか

LINEミニアプリの存在自体は2019年頃に一部の美容サロンで予約に特化したLINEミニアプリを導入したニュースを拝見し、自社サービスに置き換えるとさらにどのような価値提供が可能となるか模索していました。

一方で、既存提供サービスでネイティブアプリ型のデジタル会員証アプリをリリースしていた手前、自社だけですぐにLINEミニアプリの開発が判断しづらい状況でもありました。

その中で、ネットスターズからLINEミニアプリをデジタル会員証として利用する提案をうけ、異業種のLINEミニアプリ開発を成功させているネットスターズの知見と、美容業界の知見を持つ当社であれば、両社でシナジーを創出したサービスが提供できると判断し開発をスタートしました。

また、その当時、既存提供サービスのネイティブアプリは、当社が提案する案内オペレーションやPRツールによって会員獲得率は一定数維持できていたものの、LINEやPayPayなどスーパーアプリの台頭に伴い、ネイティブアプリのアクティブ率が減少傾向にある課題を感じていました。

しかし、国内No.1ともいえるスーパーアプリの『LINE』と連携する形であれば、その課題をクリアできると確信した事も大きな要因です。

弊社が提供するサービス含め、現状も美容サロンにおいてネイティブアプリは多く導入されておりますが、当社は『お客様のためのコンピューター』というサービスコンセプトを掲げており、最も大事にすべものは『サロンにご来店するお客様が何に価値を感じるか』です。

年間に平均4回~5回通うサロンの会員証や予約に、ネイティブアプリを利用するお客様のニーズが減少傾向にあるようであれば、当社としては新たなサービスに置き換える事は正当な判断とも認識しています。

連携するベンダーとして、ネットスターズが決め手になった理由は何ですか?

ネットスターズは2015年、日本で初めてQR決済サービスを提供したキャッシュレス決済のパイオニア企業であり、決済領域において非常に強い知見・ノウハウを持っていた事が最大の決め手です。

当社は以前よりセルフレジのQR決済部分をネットスターズと連携しており、現状もセルフレジの拡販に注力していますが、お客様の傾向やニーズを分析していくと、将来的には美容業界において店頭でのセルフ会計から、予約時のオンライン決済へニーズが移行していくものと認識しています。

現状は『Salon de Net for LINE』にオンライン決済機能は実装していませんが、今後の美容業界の将来性を見据えたうえでネットスターズとなら長期的に良いサービスが開発可能と確信しました。

『Salon de Net for LINE』はどのようなLINEミニアプリですか

サロンで開設しているLINE公式アカウントと、サロンの資産ともいえる顧客情報を連携させた、デジタル会員証・オンライン予約サービスです。

デジタル会員証の領域においては、LINEと連携させる事で、お客様はサロンのLINE公式アカウントを友だち追加いただくことにより、ランク・属性に応じたステータスカードの確認をはじめ、予約・来店履歴の確認、施術アルバム、行動に応じた自動LINEメッセージの配信など、LINEを介してお客様へ新たな価値提供ができ、今後の美容業界においてスタンダードなCRMサービスになると認識しています。

お客様はLINEミニアプリを利用するにあたり、これまでのネイティブアプリのような、アプリストアからのダウンロード・会員登録といった手間がなく、普段ご利用いただいているLINEアプリにてサロンのLINE公式アカウントを友だち追加するだけでご利用できます。会員登録率・アクティブ率はネイティブアプリと比較し、2倍以上の実績があります。

– LINEミ二アプリの開発で重視したことを教えてください

1つ目はサービスのリリース・アップデートにストーリー性を持たせる戦略の設定、2つ目はオンライン(LINE)予約時にクリック数・画面遷移数を可能な限り減らすことです。

リリース・アップデートのストーリー戦略とは、これも当社のコンセプトである『お客様のためのコンピューター』を追求した戦略です。既に2回、新たな機能・コンテンツ追加のアップデートを実施していますが、初期から全ての機能・コンテンツを提供はせず、お客様の利用ニーズに応じて段階を踏んでリリース・アップデートを実施する事により、お客様もLINEを介して段階を踏んで新たな価値体験が可能になります。LINEミニアプリのアクティブ率を最大限に上げる事を目指し、その結果サロンに対しエンゲージメントの高い顧客を増やす事を支援できたと認識しています。

オンライン(LINE)予約時のクリック数・画面遷移数削減においては、リリース前にも何度も検証・修正を繰り返し、わずか3ステップでの予約完了に成功しました。

当社がどんなに良いコンテンツを提供しようとも、サロンがどんなに良い技術を提供しようとも、どんな状況でも共通して、今後も同じサロンに通うか迷われている『ライト層』のお客様も常に一定数はいるものと理解しております。このようなライト層が今後も継続してサロンに通っていただくためには、予約時のクリック数・画面遷移数を1つ減らす事がいかに重要か、当社は強く意識しています。

開発チームと開発の流れを教えてください

当社ではシステム開発部門2名とマーケティング担当の私と3名でチーム編成。ネットスターズからも常時3名体制で入りました。開発に関しては顧客・予約データのAPIの技術連携部分は当社で行い、ネットスターズからはLINEミニアプリの基本設計や知見の提供を受けました。両者で約6カ月の開発期間と約2カ月程度のテスト期間を経てLINEミニアプリリリースしています。

当社はフレックスタイム制を導入しており、労働時間が常に変則的な中でも、ネットスターズにとても柔軟に対応いただき、スピード感をもって一緒に取り組むことができました。

またネットスターズは熱心に美容業界の知見を習得しようとしてくれていた事にも、とても刺激をうけました。『Salon de Net for LINE』はネットスターズとだからこそリリースできたサービスであり、とても感謝しています。

– LINEミニアプリについてはアップデートするために、現在も開発が進行中なのですね。

先程述べたストーリー戦略の一環で2022年5月『マイページ』の大幅リニューアルを実施しました。

1つはお客様のランクや属性に応じてカードデザインが変動するデジタルステータスカード機能を実装しました。お客様はLINEアプリ内で簡易的に自身のステータス状況を確認することができ、サロンに通うごとにステータスが成長していくといった新たな体験提供を可能としました。

またマイページ内でPOSレジ・電子カルテで撮影した施術デザイン写真の確認を可能とするアルバム機能を実装しました。お客様はLINEアプリ内から簡単に写真確認ができることで、家族・知人への口コミ・シェアなど拡散性が増したと認識しています。

さらに、次のフェーズとして検討しているのが、「事前カウンセリング機能」の導入です。お客さまがどのようなデザインにしたいか、どのような悩みがあるか、予約後に事前にオンライン上で回答いただくことにより、サロン側も来店時により生産性の高いカウンセリングが実現するはずです。

今後もLINEの進化に合わせて、当社もネットスターズと業務提携を強化しLINEミニアプリも継続して進化させていきます。

『Salon de Net for LINE』について、サロンの導入状況はいかがですか

当社の計画としては、まずは半年で100店舗程の導入を見込んでおりましたが、リリースして半年間で予想を超えた300店舗が導入に成功しました。

背景としてサロン側からも「LINE連携してほしい」と待ち望む声が多くあった事も確かですが、『Salon de Net for LINE』がリリースされる事を知り、一度当社のPOSレジを解約したものの、再び戻ってきたサロンもいたほど影響力の大きいサービスとなりました。

『Salon de Net for LINE』について、サロンの反応を教えてください

お客様がデジタル会員証として簡単に予約履歴の確認・変更が可能となったことで、サロン来店時に次回の予約を済ませるお客様、通称「次回予約」の獲得率が上がったという事が最も印象的です。次回予約はリピート率の向上・来店サイクルの短縮を図るためにサロンにとっても重要な戦略の1つであり、そこに貢献できたことはとても誇りに思います。

そして『お客さまへの案内がとても楽になった』という声も多くいただきます。

導線をLINE友だち追加とすることで、固定客と言われる上位層のお客様はもちろんのこと、これまでライト層といわれていたお客様の層もミニアプリの登録をいただくことが可能となり、あるサロンでは来店したお客様のうち約97%がLINEミニアプリを登録している実績もあります。

美容業界では他業界と比較してITの浸透が遅いと言われていましたが、美容業界でITサービスを提供する当社としてはその責任は非常に強く感じており、今回の『Salon de Net for LINE』のリリース及び今後のアップデートにより、サロンのCRM戦略の在り方を一変させ、他業界を追い越す事が可能であると信じています。

– 『LINEミニアプリ』の将来について、予想を教えてください

美容サロンのSNS集客において、新規集客は『Instagram』、リピート集客は『LINE公式アカウント』が適しているという構図が定着していますが、一方で数年後にはそれも終わり、新たなサービスが浸透するという声も多く聞きます。

しかしながら大事なのは当社のコンセプトでもある『お客様のためのコンピューター』が示す通り、どんなに新しいサービスがリリースされようとも、最終的には『お客様が何に価値を感じるか』であると認識しています。

当社はLINE株式会社とも定例ミーティングを重ねており、LINE公式アカウント及びLINEミニアプリの今後の計画も共有いただきますが、その中で、私は『LINE』は今後も長期的に利用され続ける価値を持っていると判断しています。

LINEはユーザー同士最も距離が近いSNSと認識しており、その特色を活かす形で、将来的にはLINE公式アカウント・LINEミニアプリを介して、サロンを比較検討・デザインの提案・シミュレーション等、体験提供を可能とし、エンゲージメントの高い集客が可能とするサービスになる事を予想しています。