導入事例
ミニアプリをご活用いただいている企業様・事業主様を紹介します。
株式会社JTB様
Web販売事業部 パートナーシップマネジメント部
着地型商品販売 課長 坂尾真司様
国内レジャー施設チケットを購入できるJTBのミニアプリ。「d払い®」※1と「LINE」の2つのプラットフォームに500施設を掲載
当社は株式会社JTBからミニアプリの開発を受注し、施設のチケット購入ができるミニアプリを、「d払い」と「LINE」の2つのプラットフォームでリリースしました。
現在500を超える全国の観光施設のチケットを、スマートフォンで事前に購入できる便利なサービスとして成長を続けています。
―今回開発のミニアプリについて教えてください
「d払い」上の「JTBレジャーチケットミニアプリ」・LINE上の「JTBレジャーチケットLINEミニアプリ」は、水族館や美術館など全国にあるレジャー施設のチケットがスマートフォン上で購入できるミニアプリです。
「d払い」はアプリ上の「オーダー」タブ内にある「レジャーチケット」のアイコンから、LINEではJTB LINE公式アカウントのメニューからミニアプリを立ち上げ、施設を都道府県・施設名・現在地から検索して選択、そのまま必要枚数を購入できます(LINEミニアプリでは、PayPayでのお支払い)。その後、購入後に表示されたQRコードを施設で提示すると入場していただける仕組みです。
当日窓口に並ばずとも、スマートフォンのみで個人情報や決済情報の入力なしに、検索から決済・発券・レジャー施設への入場までシームレスに完結できるシステム。従来にはないチケット取り扱いシステムと言えます。
―ミニアプリを開発に至った背景を教えてください
以前から消費者行動の変化として、キャッシュレス化が加速していました。政府の推進もあり、当社でもキャッシュレス決済が世の主流になるであろうことを予測。一方、2020年頃から新型コロナウイルスの影響もあり、日本でもQRコード決済が急拡大してきました。当社も「QRコード決済をどのように導入するか」という課題に直面していたのです。
当初は、レジャーチケットを販売するJTBのWEBページで電子マネー決済を導入できないかとも考えたのですが、WEBページは主に旅行に関連するタイミングでお客さまにご覧いただくことが多く、もっと日常に溶け込んだタイミングを模索し、皆さまが日常的に接する「スーパーアプリ」と呼ばれる国民的なアプリ内でチケットを検索・購入していただきたいと考えたのです。
―「ミニアプリ」について、どのような経緯で知りましたか
課内のWEB販売促進を担当する者が、新たな販売手法を開発するため情報収集を行ってきました。QRコード決済は中国から先行して利用されていましたので、担当者も中国での消費者行動に着目。2020年後半頃から中国国内で広く使われているスーパーアプリ「WeChat」で動くインストール不要の軽量アプリ「ミニプログラム」に目を付けました。
その情報を持って日本に視野を広げたとき、日本のアプリ市場においても「WeChat」と同じようなスーパーアプリ化を目指す動きがあったのです。スーパーアプリには、多彩な機能があり、そのひとつがミニアプリでした。2021年4月、ネットスターズに「ミニアプリとは何か」から始まる問い合わせをしました。
―開発にあたり、社内での反応はいかがでしたか
ミニアプリの導入が議題にあがった当初、社内に詳しい者はほとんどいませんでした。私も担当者から「ミニアプリ」を提案されたとき、「ミニアプリとは、何?」と聞き返した記憶があります。まずは、他社からリリースされているミニアプリを実際に使ってみながら「このシステムはどのように購入するのか」からの模索でした。
一方で当社には、連携企業が保有する、チケットをQRコード化する仕組みを活用することができました。ネットスターズと話す中で「当該機能と連携すればよさそうだ」ということも、徐々に分かってきたのです。
―「d払い」と「LINE」、それぞれを採用した理由について教えてください
当初からミニアプリを開発・導入することで、「より多くのお客様との接点を増やしたい」「ある程度の売上ボリュームをとりたい」との狙いがあり、なるべく複数の接触ポイントを確保するために、多くの決済手法との連結を目指しました。各サービス事業者の市場規模やミニアプリへの積極性を考慮しつつ、反応の速かった「d払い」から着手することが決まりました。
その次にLINEミニアプリは、決済方法が必ずしもLINE Payに限定されないことがポイントとなり開発をすすめました。
―複数のミニアプリ開発後の、運用面での懸念はありましたか
「StarPay-mini」は、ひとつの管理画面で複数のミニアプリから取得した予約状況・売上を一元的に管理することができます。その説明を受けて、取り扱いミニアプリを増やすことによる運用の負担は、当初から課題としていませんでした。開発段階で管理画面の使い勝手について、いくつかの変更依頼はしましたが、もともと使いやすいものだと感じました。現在もスタッフ1名体制で運用・管理しており、使用方法も楽で手間がかかりません。
―なぜ、ネットスターズと開発しようと考えましたか
ミニアプリについてミニアプリの開発・導入を支援する企業を4社選定し、そこからネットスターズを選びました。選定理由は大きく4つあります。
1)インバウンドビジネスのニーズを見据えたため。将来、中国人向けの「WeChat」「Alipay」への展開を考えており、「StarPay-mini」はその対応ができた
2)開発コストが他社に比べ、圧倒的に抑えられていた
3)複数の決済方法を同一のプラットフォームで管理する技術力を持っていた
4)「d払い」だけでも年内にローンチしたいという目標に対し、コミットがあった
上記4つのなかで、1)のインバウンド対応に向けた仕組みは、旅行業である我々にとって大きな決め手になりました。
―両社開発チームの構成と開発時の機能のこだわりを教えてください
ミニアプリ開発について、当社にとっては珍しい開発事例でしたが、「StarPay-mini」のプラットフォームに機能を乗せる手法で進みました。そのため、当社はシステム部門ではなく、私を含む、お客さまの目線に近い販売部門の担当者2名が中心となって進めました。ネットスターズからは主にシステム部署・技術部から約3名に携わってもらいました。 ミニアプリの機能には、日常的な利用を考えた「お気に入り」設定機能や、旅行時にはレジャー施設の近くに訪れたときに買うというイメージで「位置情報機能」を設けるなど使いやすさにこだわりました。そして、最大の目的はもちろん、決済機能です。他にも機能の候補はありましたが、スピード感とのバランスを考え、最良の選択をしました。
―ネットスターズの技術開発や窓口対応はいかがでしたか
当社は「2021年内のリリース」という大きな目標を持っていました。しかし、社内でもはじめての経験に全貌がつかめず、調整には苦労しました。一社で完結できることではなく、「d払い」を展開するNTTドコモ様を含め、3社で年内ローンチというゴールに向けて力を結束させました。
ネットスターズはミニアプリ開発の経験も豊富で、求めるスピード感に応えてくれました。私も年末が迫るにつれて切羽詰まってきましたが、担当者には柔軟に対応していただき、無理も聞いてもらいました。
―導入直後の社内外の反応について教えてください
無事にリリースされてホッとしました。社内でも「使いやすいよね」と好感触。アプリ内でチケットが購入できるレジャー施設については、12月から、ミニアプリに関する画面の遷移などを示したビジュアル資料を作成し、営業チームが周知を始めました。説明にあたってはあえて「ミニアプリ」という固有名詞にはこだわらず、実際に「d払い」の画面などを表示しながら、決済を含めた一元的な購入の仕組みを説明するようにして、施設からの好感触を得ました。
一方、リリースにあたり施設への導入説明が足りていなかったこともあり、初期段階では施設画像表示が少なく、画面の充実が後日対応になったという反省もありました。また、販売につなげていく部分で商品の表示方法などにはさらなる工夫が必要との認識も持ち、新たな目標が設定されました。
―今回開発のミニアプリを取り巻く将来について、構想を教えてください
ミニアプリ内の販売施設数は、リリース時の約200施設から大きく伸ばし、2022年8月現在は約500施設のチケットをお求めいただけます。レジャーチケットを簡単に買えて、スマホ一台で手軽に入場できる便利な手段ができましたので、今後は一人でも多くの方に使っていただけるよう、周知・販促に力を入れたいです。
さらに、将来、旅行シーンではインバウンドの復活が見込まれます。特に中国の方にこのミニアプリを使っていただくために、今から準備を進める予定です。
※「d払い」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。